健さん

高倉健さんが亡くなられて、昨日は新聞を読んでいたらなんだか目にいっぱい涙がたまってきて、１日なんとなくしょぼくれた気持ちで過ごしていました。
　
僕は普段あまり映画に興味を示さない人間なんですが、それでも健さんの映画はそれなりに色々見ていました。見た中では、鉄道員（ぽっぽや）が一番好きで、映画館でひとりびしょびしょ泣いたもんだったなあ。
　
日本人の「男らしさ」とか「男の美学」というのを突きつめていくと、高倉健という具体的なカタチになる。僕はそう思っている。
　
僕よりももっと上の世代、つまり僕の親くらいの世代。
その頃の人達の中にはきっと多くの人達が「健さんみたいに生きたい」と憧れたり、また悔しくて、つらくて、苦しいと思う時には健さんの「いいんだよ、男ってのはそういうものなんだよ」というメッセージをスクリーンを通じて受け取りながら、また歩き出そうと思ったりしていたんじゃないかと。
　
そういった武骨でたくましくて優しい「無名の健さん」が、かつてのこの国には大勢居て、その人達がこの日本という国をこんなに豊かな国に発展させてくれたのだと思う。そのいしずえの上に僕達より下の世代は生きさせてもらっている。
　
今の特に若い世代の人達は、「男らしさ」といったような考え方は古いと思うかも知れない。でも、そのいしずえというものを思うと、それは時代によって流されるものではなくて、不変であるべきなのではないかと、僕は思うのです。
　
　
そんなことを考えていたら、昨日はなんだか急にどうしても親父に会いたくなって、実家に行って親父と一緒にメシを食って来たのでした。