排水つまりを予防するには

ここ最近すっかり寒くなってまいりました。
寒くなるに従って、排水が詰まるトラブルが非常に増えており、当店でもお客様からの相談を多数お受けしております。

そこで今回は排水つまりを予防する方法について書きたいと思います。

まず、何故寒くなると排水がつまり易いのかと言うと、これはキッチンから流れる油分を含んだ水が影響しております。

この写真の白いもの、なんだかお分かりでしょうか？
これは、排水管から出てきた油の固まりです。ひどい状態だと、こんなになっちゃうんですね。これでは水が流れるわけがない(^^;

料理をされる方ならピンと来ると思いますが、豚肉など脂分を多く含んだ料理をした後に、フライパンや鍋などをそのまま洗わず放置しておくと、周囲に脂の白い固まりができますよね。それと同じ状態が排水管の中で起きるというわけなのです。

では、どうやってつまりを予防するかという話なのですが。
１番目の写真を見て頂くと、少々わかりづらいかも知れませんが、排水管の出口が上を向いています。何故このような形状になっているのかというと、これはトラップと言って排水管の中に水を常に張っておくためにこんな形になっております。

トラップというのは、目的が主に２つあります。
１つは、排水の臭いが排水管を通じて家の中に入ってくることを防止すること。
２つめは、排水管の中にネズミや害虫などが浸入しないようにすること。
封水という言い方をする場合もあります。

わかりやすい例で言えば、トイレの便器には常に水がたまっていますよね？
あれがトラップです。また、洗面台の排水パイプがUの字に曲がっている箇所があると思いますが、それもトラップです。

逆にいえば、このトラップや排水管の一部には常に水がたまっている箇所があるわけなので、この中にたまっている水が汚れていると、段々と排水管の中に汚れが付着してきてしまい、つまりの原因になってしまうのです。

この排水管の中にたまっている水を常にきれいな水を張っておくことが、つまりの予防には大事ということになります。料理や洗い物などをする際に、終わった時にぱっと水を止めてしまうのではなく、少し水を多めに流したり、また１日の終わりに30秒〜１分程度水を流すとか、あるいはボウルに水を汲んで２杯〜３杯くらい流してやることで排水管の中が清潔に保たれ、つまりの予防になります。

特に冬の寒い時期は、お湯の方がより効果的です。油分は温まると緩むので、流れやすくなるというわけです。お湯といっても熱湯である必要はありません。蛇口から出てくる40度程度のもので結構です。あまり熱いお湯は水周り設備を痛める可能性もありますので。

また、市販のパイプユニッシュといった薬品を使えば直りますか？という質問をされることがよくありますが、結論から言うと、一旦排水がつまってしまってから使用してもほとんどの場合は効果は無いといっていいと思います。上記の写真を見て頂くとお分かりかと思いますが、あれだけの量の油脂の固まりが、キャップ１杯の薬で瞬時に溶けるとは思えませんよね？　あくまでも予防用だと考えていただいた方が無難ではないかと私は思っています。

キッチンの排水つまりは、場合によっては汚水が逆流してきて、家の中に汚水が溢れてくるなどのトラブルになることもありますから要注意です。キッチン周囲に悪臭がしてきたり、床板が腐るなどといったケースに至る場合もあります。

特に２階にキッチンがあるお宅などは、その汚水が１階の天井に落ちてきたりする場合もあるわけで、そうなると天井のボードや壁紙などが汚れてしまったりして、それらを張り替えなければいけなくなることもありますから、さらに要注意です。

蛇足ですが、２階のキッチンの排水つまりは、直す側の我々にとっても結構難儀な作業なのです（苦笑）。理由を書くと長くなるので省略しますが、過去の例ではつまりが解消するまでに丸々２日間掛かったケースなどもありました。現場に行ってみて、キッチンが２階にあるのを見ると思わず涙が頬をつたいますな（T T)

まあ、とにかく大変な事態にならないように、普段からの予防に気を配っていただければと思います(^_^)